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急速冷凍とはどんな冷凍の事でしょうか?
それは、⾷材が凍り始める-1℃〜-5℃を30分以内に通過するような冷凍⽅法のことをさします。
急速冷凍に対して⼀般的な冷凍のこと緩慢冷凍といいます。
それでは、急速冷凍をすることでどんなメリットがあるのでしょうか?
⾷材には少なからず⽔分が含まれており、この⽔分は冷凍することで約1.1倍に膨張します。
特に-1℃〜-5℃の温度帯(最⼤氷結晶温度帯)で⾷材内の⽔分が凍結・膨張して結晶を作るのですが、この温度帯の通過がゆっくりだと⽔分の結晶が⼤きくなりそれによって⾷材の細胞壁が傷ついてしまいます。
そのため、解凍時に細胞内から出たうまみを含んだ⽔分いわゆるドリップが外に出てしまうのです。
⾷材をおいしく冷凍するためには、この温度帯(最⼤氷結晶⽣成温度帯)をなるべく早く通過させる必要があり、それを可能にしているのが急速冷凍機です。
実際に通常の冷凍機(緩慢冷凍)と急速冷凍機で冷凍テストをしてみました。
⽣のマグロ⾚⾝を冷凍して、同じ条件で解凍したものが上の写真です。
緩慢冷凍をしたものには顕著にドリップが確認できます。
⼀⽅急速冷凍したものからはドリップはほとんど発⽣していません。
急速冷凍機は⾷にまつわる仕事に様々な可能性をもたらすと考えております。
それは、現在お持ちのお悩みの解消だけに留まらず新たなビジネスの展望までも⾒出せるかもしれません。
⾼品質な冷凍ができる急速冷凍機を使えば、仕⼊れた⾷材を冷凍前に近い状態に保つことができます。
これまでは毎⽇⾷材を仕⼊れて毎⽇仕込みをしなければいけなかったのを、仕⼊れ価格が安い時や状態のよい⾷材が⼿に⼊ったときにまとめて仕⼊れをして⼀気に仕込みを済ませてしまうことも可能です。
⼩分けにして冷凍することで必要な分だけ解凍できるので、⾷材を無駄にすることもなくなります。
飲⾷業界は営業時間外で⾏わなければいけない仕事がとても多く、従業員のワークバランスが保てず離職率も⾼くなりがちです。
急速冷凍機を導⼊して業務のオペレーションを⾒直すことで解消することも可能です。
例えば、料理⼈の勤務時間内に仕込み作業をまとめて済ませて急速冷凍することで、料理⼈が不在でも品質の⾼い料理を提供することができるようになります。
急速冷凍機を導⼊することで廃棄⾷材を減らすことができれば廃棄にかかる費⽤、無駄な仕⼊れの費⽤も少なくなります。
また、急速冷凍することで下ごしらえをまとめて⾏うことができるようになれば、料理⼈の出勤⽇や就業時間を減らすことになるでしょう。
店の看板商品を作りたてで急速冷凍することによって、EC販売や冷凍⾃販機販売など新たな販路を⾒出すことも可能です。
加熱調理した⾷品を冷ます場合、雑菌の繁殖しやすい危険温度帯である10℃〜60℃もゆっくり通過することになります。
急速冷凍機を使えば熱い⾷材も⼀気に冷却することができるので、気になる雑菌の繁殖も抑えられます。
また、急速冷凍中にはデフロスト(霜取り)が働きませんので、確実に芯温−20℃以下まで冷却します。
その後-20℃以下で24時間冷凍保存することで、アニサキス死滅にも⼀役買います。